Discussions
Categories
Oracle Database Cloud : サービスアップデート(6月) Data Guard対応

2016年6月4日に、Oracle Cloudの定期アップデートが実施され、バージョンが 16.2.5 になりました。
Database Cloud Service(DBaaS)を中心にアップデートの内容をお伝えします。
より詳細な情報は、英語版のドキュメントをご覧ください。
クラウド上のインスタンス間で、Data Guardが構成可能に
ついに、クラウド上で Data Guard が構成できるようになりました。
正確にいうと、今までも手動でData Guardを構成することはできましたが、色々と面倒なステップを踏まないと構成できないものでした。
今回 チェックボックスにチェックをつけるだけで、クラウド上に2つのデータベースを作成し、その間をData Guardを構成してくれるところをすべて自動でやってくれるようになっており、面倒な手動の作業はすべて不要になりました。
サービス作成ウィザードの詳細入力画面で、Data Guardを使用したスタンバイ・データベース というチェックボックスがそれです。
一年近く前からずっと、チェックボックスだけがあって選択できない状態でしたが、この度めでたく選択できるようになっています。
これをチェックするだけで、Data Guardの構成を自動的に行なってくれます。
Data Guard は、11g、12cともに、Enterprise Edition 以上のエディションで作成することができます。
Enterprise Edition - Extreme Performance エディションの場合は、Active Data Guard も使用することができます。
サービス作成時には、スタンバイ・データベース側が Read Only Open で起動されており、検索処理を行うことができるようになっています。
また、現在のところRACとData Guardを同時に構成することはまだできません。こちらは将来のリリースでの対応が予定されています。
注意点 : Data Guardが構成できる環境について
Data Guardは、マルチサイト対応のアイデンティティ・ドメインでのみ作成できます。
2016年4月頃以降に作成されたOracle Cloudの環境については、基本的にマルチサイト対応していますが、もし対応していない環境だった場合には、検証時に以下のようなエラーメッセージが出て、作成することができません。
ご自分が使用されている環境がマルチサイト対応かどうかは、以下の方法で確認できます。
- Compute Cloud Service のサービス・コンソールにアクセスする
- サービス・コンソールの左上の方の 計算 と書かれているタイトルの下を確認する
- もし サイト:XX00N_Z99▼ のようなドロップダウンリストが表示されていたら、その環境はマルチサイト対応です
ちなみにこの機能は、サイトセレクター という、インスタンスを配置するサイト( = データセンター内のゾーン)を選択することができる、Compute Cloudの新機能になります。
▼を押すと、以下のような画面が表示され、作業を実施するサイトを選ぶことができます。
例えばこの例の環境では、US002_Z28 と、 US006_Z21 という2つのサイトから選択して、インスタンスを作成することができます。
ここで US というのは 北米リージョン を、002 / 006 というのは データセンター (US002はイリノイ州シカゴ、US006はバージニア州アッシュバーン)を、Z28 / Z21 というのはゾーン(Oracle Cloudの物理リソースが配置されている単位)を表します。
北米リージョンに現在新しく作られたアイデンティティ・ドメインは、トライアル環境では2つ、商用環境では5つ以上のゾーンが選択可能になっているはずです。
ドロップダウンリストからサイトを選択すると、それぞれのサイトのリソースの混雑状況が下に表示されます。
よりリソースが空いているサイトにインスタンスを作成することで、良好なパフォーマンスが得られる場合がありますので、Compute Cloudを使用する際にはどこのサイトにインスタンスを作成するかについても検討してみてください。
残念ながらこのサイトセレクタが使用できるのは Compute Cloud Service だけで、Database Cloud Service を始めPaaSサービスでは使用することができません。
Data Guard 以外のDatabase Cloud Service のインスタンスについては、内部的に決められているプライマリ・サイトに優先的に作成されます。
Data Guard 作成時に選択できるオプションについて
Data Guard を作成する際、ラジオボタンで High Availability と Disaster Recovery の2つのオプションを選択できるようになっています。
High Availablity は、同じデータセンター内の別ゾーンに作成した2つのインスタンス間でData Guardを構成します。
一方、Disaster Recovery は、別データセンターのゾーンに作成した2つのインスタンス間でData Guardを構成します。
どちらのオプションもともに、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースは、それぞれ別々のゾーンのインスタンス(仮想マシン)に配置されるようになっています。
このため、アイデンティティ・ドメインのマルチサイト対応の状況によって、作成できるオプションが制限される場合があるので、注意してください。
特にトライアル環境では、通常は2つのデータセンターに1つずつ計2つのゾーンが割り当てられている場合が多いですので、その場合には Disaster Recovery のみが選択できます。