1. はじめに

NetSuite では、見積書（Estimate）、受注書（Sales Order）、出荷（Item Fulfillment）、請求書（Invoice）などのトランザクションが連携しており、それぞれのデータは一連の業務プロセスの中で関連付けられています。

本記事では、各トランザクションの関係性を業務シナリオに基づいて詳しく解説し、どのようにデータが流れるかを整理します。

2. NetSuite のトランザクション間の関係性

販売プロセスにおけるトランザクションの流れ

1. 見積書（Estimate） → 顧客へ価格を提示（任意）
2. 受注書（Sales Order） → 見積を元に受注（必須）
3. 配送（Item Fulfillment） → 倉庫から商品を出荷（在庫を減らす）
4. 請求書（Invoice） → 顧客へ請求書を発行（売上計上）
5. 入金（Customer Payment） → 顧客が支払いを行う（売掛金消込）
6. クレジットメモ（Credit Memo） → 返品や値引き処理を行う（売掛金の減額）

▶ ポイント

• 配送（Item Fulfillment）が完了しないと請求書（Invoice）を発行できないケースがある
• クレジットメモ（Credit Memo）は、返品処理のために請求書（Invoice）と関連付けられる
• 顧客の支払い状況をリアルタイムで把握し、未払いの請求書を追跡可能

購買プロセスにおけるトランザクションの流れ

1. 発注書（Purchase Order） → 仕入先へ発注（在庫の確保）
2. 受領書（Item Receipt） → 仕入れた商品の受領を記録（在庫計上）
3. 仕入先支払い請求書（Vendor Bill） → 仕入先からの請求や受領書を元に請求書を管理（未払金計上）
4. 支払（Vendor Payment） → 仕入先へ支払いを実施（未払金消込）

▶ ポイント

• 受領書（Item Receipt）を作成しないと、在庫に反映されない
• 仕入先支払い請求書（Vendor Bill）は、発注書（Purchase Order）や受領書（Item Receipt）と関連付けられる
• 支払（Vendor Payment）は、仕入先支払い請求書（Vendor Bill）の金額と一致する必要がある

3. 実務での活用ポイント

✅ トランザクションの関連付けを理解する

各トランザクションは関連するトランザクションとリンクしており、正しく紐づけることで業務効率が向上します。

✅ リアルタイムでステータスを管理

未払い請求書や未出荷の注文をすぐに確認できるため、キャッシュフローの管理や在庫の適正化に役立ちます。

✅ レポートと分析に活用

トランザクションデータを保存検索やレポート機能を使って分析することで、売上や在庫の動向を把握できます。

4. まとめ

NetSuite のトランザクションは、業務フローに沿って適切に関連付けることで、より効果的に活用できます。

各トランザクションの関係性を理解し、適切に管理することで、業務の透明性を高め、効率化を図ることが可能です。

これらの関係性を活用し、NetSuite のトランザクション管理を最適化していきましょう！